……あら、また会ったわね。旅人さん。
え? 口調が違う? ふふふ、細かいことは気にしないで。
ここで物語はまたひとつの分岐点を迎えるわ。
今あなたが読んでいた本では、『彼』はある事実を知らないままだったけれど……もし、『彼女』が知る前に『彼』が知ってしまったら、どうなるかしら?
ああ、気になる?
でもね、よく考えて。
枝分かれしたその先の物語で、『彼』は『彼女』の秘密を知らないままなの。薔薇の茂みは踏み荒らされてしまったけれど、『彼女』が一番知られることを恐れていた秘密は暗がりに隠されたまま。
『彼女』はこうなった以上、もう絶対に隠し通すでしょう。『彼』がそれを知る術はないし……。あまり、幸せな結末は待っていないかもしれないわね。
それでもいいのなら、別の世界に送ってあげる。
でも本当に、よく考えてちょうだいね?
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