ある冬の日に(クロルフ♀、ちびルキナ、ちびマーク)
聖都では滅多にない積雪に、子供達は大はしゃぎで城内に点在する中庭のひとつへ飛び出していった。
「ねえさん、まって〜!」
「くまーく>、はやくはやく! ゆきがとけちゃいます!」
暖炉で暖められた自室から絶対出ないこと、と夫から厳命されているルフレは、微笑ましく思いながら雪に興奮する我が子達を見守っていた。
「ふふ、二人とも元気ですね。確か子供は風の子、ってソンシンでは言うんでしたっけ」
今日は晴れたとはいえまだ空気は冷たいだろうに、白い息を吐きながらも元気いっぱいな子供達を見ているとなるほど、と思わされる。二人は絵本で見た雪だるまを作ろうとしているようで、小さな手で一所懸命雪玉を作り、ころころ転がしていた。
そこにルキナやマークもやって来て仲間に加わる。楽しげな笑い声。
平和である。そうでなくとも最近眠くて堪らないのに、室内は春のように暖かく、湯たんぽや毛織のひざ掛け、ショールなどで冷えから徹底的に守られていることもあり、徐々に瞼が重くなって――――。
「ん……」
ひとときの微睡みから目覚めれば、眼下の中庭には雪だるまの一家が勢揃いしていた。寝ぼけ眼で数を数えていたルフレの口元に、「まあ」と思わず笑みが浮かぶ。
中央に大きめの雪だるまが二つ、それを挟んでやや小さめのものが二つ、大きめの雪だるまの前に小ぶりのものが二つ。そして、さらに。
「……お兄さんやお姉さんたちが、あなたの分も作ってくれましたよ」
優しく囁いて、ルフレは大きく膨らんだ腹部を撫でた。
※次から現パロ設定の話が出てきますので、苦手な方は回避推奨
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