囁くもの - 5/5

 

 お前は間違えたと声が言う。もう手遅れだと。

 けれど、手遅れだと知ってから本当に求めていたものに気付いてしまったのなら、どうすればいいのだろう。

 胸の奥にいつしかできた黒い泉。澱んで、濁った水がひたひたと心を侵していく。

 泉の奥底の澱が誘いかける。

 昏い方へ昏い方へと手招く。

 ……奪われたなら、奪い返せばいいのだ、と。

 

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