そしてその日から、ルフレは繰り返し夢を見るようになった。
泣いている女の子の夢。
女の子が大人になったと思しき女性がひとり、悲しげに佇んでいる夢。
でも、何かを思い出しそうになる度、誰かがそっと目隠しをする。その手を振り払わず、ルフレはただ親子でクロムの訪れを待つ。
季節は巡り、館の周辺では次々と薔薇が咲き始め、庭に出て蔓薔薇に覆われた建物を振り仰ぐと、館はまるで薔薇に閉じ込められているようだ。
茂みの下に秘密を隠して咲き誇る花。
クロムとルフレの間にある秘密。
たとえここが、彼の嘘という名の荊で閉ざされた檻でも構わない。
いつまでもいつまでも、彼が注いでくれる偽りと罪の味がする幸福を、目隠しをされたまま味わって、飲み干して――――――――。
Under the Rose
目隠しの幸福 End
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