横顔の君に恋した - 3/5

 それから、ルフレとの距離は大分縮まったように思う。
 二人で城下に出かけたり、調べ物に付き合ったり、気が付くと一緒にいる時間が増えていた。
 話題に登るのはクロムのことが多かったけれど、彼のことを話しているときのルフレの表情はくるくると変わり、見ていて飽きないから、話を遮ることはしなかった。
 彼女と過ごすのはとても心が休まる。嬉しいことに、ルフレも同じ気持らしく、『ソールさんと一緒にいると何だかほっとします』と言ってくれた。
 彼女への好意は明確な形を持ってソールの中に根付き、少しずつ少しずつ大きくなっていく。
 けれど、同時に望み薄だろうとも思っていた。
 ルフレにとって、身近にいる男性陣の中でクロムの次くらいには一緒に過ごす時間が多いようだったが、彼女は自警団内の誰とも親しくしている。
 ソールだけが特別だとは限らないし、敢えて特別な存在を上げるなら、やはりクロムだろう。それが恋愛感情なのかどうかは別としても。
 しかし、何かの折にぽろりとルフレのことを従兄に話すと、凄まじい剣幕でとっとと告白しろ、と発破をかけられてしまった。
 お前は押しが弱すぎる、という苦言も呈された。
 そこでソールは一念奮起して指輪を買った。いきなり指輪は、と悩んだが、逆にそれくらいの覚悟でなければ到底想いを伝えることなどできそうにない。
 決意が鈍らない内にすぐ伝えられるよう、肌身離さず持ち歩いて機会を待った。
 その矢先である。ソールの所属する自警団にとって、いいやイーリスという国にとっても一大事件が起きた。
 重臣の裏切りにより隣国ペレジアが聖都へ侵攻、クロムの姉、女王エメリナも囚われの身となったのだ――――。

 

 

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