さて翌朝、ルキナにたっぷりと甘えて姉弟水入らずの状況を堪能したマークは、自分の計画が首尾よく完遂されたことを、朝食の席で知った。
何故なら、家族揃って一緒に食べる約束をしていたのに、現れたのは父ひとり。父が説明したところによると、母は酒を飲み過ぎて二日酔いで寝ているらしい。
今回の計画のことなど露ほども知らない姉は、「後でお薬を持って行きますね」と心配そうに言っていたが、マークは勿論知っている。
母のルフレがここにいないのは、二日酔いの所為などではないことを。
「父さん父さん、うまくいきましたね! 母さんとたっぷりいちゃいちゃ出来たでしょう?」
食事の後、ルキナのいないところへ父を引っ張って行きにっこり笑ったマークに、どこか気まずげな、そして弱り切っている表情が返された。
「いや……その、だな。今日はルキナと、昨日入れなかった温泉を巡る約束をしていたのに、と拗ねられて……部屋に、戻りづらい」
「えー? 駄目ですよそんなことじゃ。絆ポイントが貯まらなくて、重大なフラグが回避できないじゃないですか」
「だから、その『きずなぽいんと』やら、『ふらぐ』というのは何なんだ……?」
「とにかく、そこは拗ねられても怒られても、父さんが押して押して押しまくって、母さんをめろめろにすればいいんですよ。あ! そうだ、部屋にも温泉からお湯を引いたお風呂があるんですから、二人で一緒に入ればいいじゃないですか、しっぽりと。それでいい雰囲気に持ち込んで……」
お前はどこからそんな言葉を覚えてくるんだ、とまた父の小言が始まったが、マークはきっぱりはっきり無視して、『雰囲気満点の温泉宿で父さんと母さんをいちゃいちゃさせよう計画』の続きを練り始めた。
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