見知らぬ恋人 - 1/6

 

 

 焦がれている。
 想ってはいけないひとに、恋を、している。
 決して知られてはならない……赦されない、想い。
 たとえそのひとに愛していると告げられて、身も心も歓喜に震えたとしても。絶対に、受け入れてはならない。
 だって、あのひとは王だから。
 あまねく民に、聖王国の大地すべてに注がれるべき愛を、自分ひとりのものにしてはならない。
 私的な愛情を受け取ることが許されるとすれば、それはあのひとの『家族』だけ。

 ああ……でも。
 もし。
 もし、すべて忘れてしまったのなら。
 そうしたら――――――

 

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