焦がれている。
想ってはいけないひとに、恋を、している。
決して知られてはならない……赦されない、想い。
たとえそのひとに愛していると告げられて、身も心も歓喜に震えたとしても。絶対に、受け入れてはならない。
だって、あのひとは王だから。
あまねく民に、聖王国の大地すべてに注がれるべき愛を、自分ひとりのものにしてはならない。
私的な愛情を受け取ることが許されるとすれば、それはあのひとの『家族』だけ。
ああ……でも。
もし。
もし、すべて忘れてしまったのなら。
そうしたら――――――。
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