God save my dearest - 2/4

 待ち望んだ婚礼の日。様々な障害をどうにか乗り越え、誰憚りなくルフレは自分のものなのだと叫べるようになった夜。
 ようやくこの腕に抱いた彼女の、はじめての痛みに喘ぐ涙すら愛おしくて。壊すなと忠告されたことも忘れ、ただひたすらその白く甘やかな肢体を貪り、唇から漏れる扇情的な嬌声に、もっと自分だけの為に啼いて欲しいと高まるばかりの劣情をぶつけ続けた。
 正直な話、三日程度では到底足りなかったのだが、見かねた女官長に叩き出され、『新妻に対する思いやりというものを少し学んでからいらして下さい!!』としばらく寝室への出入りを禁止にされてしまった。
「もう……頼むからその話題には触れないでくれ……」
 這々の体でクロムは白旗を上げる。顔を赤くしながら涙目になるという器用な真似をやってのけた聖王代理に、両者とも少し遊び過ぎたと反省してくれたらしい。
 悪かったと背中を一度折れるかと思うほどの力で叩くと、バジーリオは今度は優しく慈しむような微笑を浮かべた。
「どうだ、ルフレは。順調か?」
「あ、ああ。すまないな、フラヴィア。せっかくの祝いなのに、二人揃って出席できずに」
「水くさいことを言うんじゃないよ。身ごもったと分かったばかりのころが危ないんだ。慣れた場所で、安静にさせてやらないと」
 鷹揚に頷く表情も声も柔らかい。二人とも、同盟相手だというだけでなくクロムやルフレ、まだ幼いルキナのことを気遣ってくれる。そして今は、ルフレの体に新しく宿った命に対しても。温かな幸福感がクロムの胸中を満たした。
 その後は和やかに会話が進み、やがて長く続いた宴も自然にお開きという流れになる。最後まで酔う気配すらちらりとも見せなかった新王と、傍らに立つ西の王に辞去する意を告げ、クロムは与えられた客室へと戻った。

 

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